投資のことを個人ブログに書くのは控えようと思っているのですが、2ヶ月前の記事をそのまま投げっぱなしというのもアレなので続編も書いておきます。
▼2020年3月16日時点の相場予想
上の記事で書いた通り、戻り売りポイントである日経平均2万円回復となったので予定通りショートで入っています。
で、今後どうして行く予定かを理由を含めて書いていきます。
今の相場状況、予想される展開を解説。あとは原油商品にも触れておきます。
※前回も書きましたが、あくまでも個人的な見通しなので見当外れもあるかと思います。その辺はご了承ください。
目次
原油安ショック!市場初の原油価格マイナス圏へ

これもコロナ禍の影響の一つです。
元々、産油国トップのアメリカとサウジが減産せずにチキンレースを繰り広げていた中で今回のコロナショックが暴落の追い打ちになりました。
世界中が自粛状況下にあり、人の移動や生産が減ったことで原油が余りまくっています。
原油は保管や輸送に多額の費用が必要ということもあり、損を負ってでも引き取って欲しいという理由からWTI原油は市場初となる-37.63ドルを付けました。
マイナス圏に落ちたのは4月21日付で取引が終了し現物交換しなければならない5月限先物のWTI原油だけです。
ただ、このままコロナ自粛により経済活動が止まり続ければ6月限、7月限のWTI原油も同じことが起こるかもしれません。
個人的な予想ですが、経済活動が再開となっても飛行機の行き来が元に戻るには半年~1年くらいの時間が必要だと思います。
そうなると原油の消費が伸びず、マイナス圏まで行かずとも、期近のWTI原油が0~5ドルくらいまで下がるリスクは継続し続けると見ています。
原油価格と原油商品についてサラっとまとめるつもりでしが、思ったよりも書くことが多くなってしまったので下記記事にまとめました。

今後の相場見通し・ポジティブ材料

今後の相場見通しとして、ポジティブな材料をいくつか挙げていきます。
世界的な大規模金融緩和
日経平均プラス期待度:★★
コロナショックで経済が傾かないように、世界中の中央銀行と政府が大規模な金融緩和を行っています。
2020年5月1日時点の政策金利 | |
日本 | -0.1% |
イギリス | 0.25% |
ユーロ | 0% |
アメリカ | 0% |
主要国の政策金利は-0.1%~0.25%程度ということもあり、これ以上は深堀りするのが困難です。
これに加え、日本の場合は日銀による年間12兆円規模のETF買いと無制限の国債購入も可能となっており、既に限界まで金融緩和を行っています。
限界まで金融緩和を行った場合、市場への資金が供給過多となり、バブル化する可能性があります。
いつか行われる出口戦略により、どこかでそのバブルは弾けますが、とりあえずコロナ禍では資金が注がれ続けると見て良さそうです。
日経平均プラス期待度は★★にしましたが、既に織り込まれているということで市場へのインパクトは薄いと見ています。
コロナワクチン開発状況
日経平均プラス期待度:★★★★
未だワクチンのない新型コロナウイルス。各国の大手製薬会社が競い合うようにワクチンの開発を急いでいます。
日本の富士フィルムによる「アビガン」もワクチンになりうる本命薬品の一つですが、それと同等以上に期待されているのが米ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」です。
コロナワクチンの治験が進めば、市場にとってプラス材料となることは間違いありません。
特にギリアド社の「レムデシビル」の進捗は世界中の市場へ与えるインパクトがかなり大きいものとなっています。
ロックダウン解除時の反発期待
日経平均プラス期待度:★★★
コロナ感染防止のため、世界中の主要都市がロックダウンで閉鎖されています。
日本のように自粛要請だけに留まっている国もあるかもしれませんが、ニューヨークなどは厳しい外出規制が敷かれています。
そういった国々、主要都市でロックダウンや自粛要請が解除されれば、経済再始動の期待から株式市場の反発も予想されます。
航空会社の国際線再開なども市場にとってはプラス材料となるはずです。
今後の相場見通し・ネガティブ材料

次はネガティブ材料です。
今後もこういったリスクがあることを考慮した上で売買判断をするのがよろしいかと思います。
日銀のETF買いルール変更
日経平均マイナス要因:★★★
日銀のETF買いはポジティブ要因にもなっていますが、ルール変更や出口戦略はネガティブ要因にもなりえます。
出口についての検討はまだまだ先の話だと思いますが、ルール変更はちょくちょく出てくると思います。
その一つが2020年5月1日から施行開始となりました。
これまで買っていたETFを時価総額重視ではなく市中流通残高を勘案して行うというルール変更です。
今まではファーストリテイリングなど、時価総額が高く、日経平均寄与度の大きい銘柄が組み込まれたETFを中心に買っていましたが、今後は変わってきます。
日銀がETFを買いすぎたせいで、ファーストリテイリングなど、一部大型株の浮動株が減ってきました。
そうならないよう、流通量が十分にある東証1部銘柄中心のETF買いに切り替えるようです。
つまり、日経平均連動型ETFの買い入れを減らし、TOPIX連動型のETF買いを増やす感じだと思います。
これまで、前場でTOPIXが-0.5%ならば、後場で日銀が1000億円以上のETFを買い入れるというのが市場の心理的サポートとして機能してきました。
それが日経平均株価の下支えになっていたのは確かです。
しかし、5月1日以降は日銀がETFを買い入れたとしても、日経平均株価の上昇に繋がらない可能性があります。
そうなった場合、機関投資家や個人投資家の心理的サポートとして機能しなくなり、前場でTOPIXがいくら下がろうとも、後場で全く買いが入らなくなるかもしれません。
GW明けの日経平均株価推移を注視する必要がありますが、この予想通りになってしまった場合、東京市場はかなり厳しくなってきそうです。
航空会社の倒産リスク
日経平均マイナス要因:★
航空会社の倒産リスクも日に日に高まっています。
5月中にロックダウンや自粛解除となればまだ持ち直すこともできると思いますが、あと1、2ヶ月延長となれば厳しいそう。
ANAやJALなどの日系航空会社、その他にもシンガポール航空やエミレーツ航空、アメリカン航空など、大きいところはもう数ヶ月の余裕はあると思いますが…小さいところは既に倒産、国有化が出始めています。
航空会社の倒産は普通に考えれば大事です。身近なことなのでインパクトも大きいかと。
ただ、株式市場に与える影響は限定的だと思います。
日経平均株価に与える影響だけ見れば、仮にANAやJALが倒産しても数%くらいの下落寄与ではないでしょうか。
まー日本に住んでいて、旅行好きの自分としては、ANAやJALにはなんとか頑張って欲しいと願っていますが、国際線が通常通り飛ぶのはまだまだ先になりそうな気がします。
観光関連企業の倒産リスク
日経平均マイナス要因:★
航空会社だけでなく、旅行代理店やホテル企業も同じく厳しいと思います。
日本でも上場企業ではありませんが、ホテルグループの倒産が相次いでいます。
こういった企業の倒産もロックダウン、自粛が伸びればますます増えてきてしまいそうです。
ロックダウン、自粛が解除されたとしても、各国間の移動が回復しなければホテル業にとって厳しい状況はまだまだ続くでしょう。
こちらも航空会社同様、株式市場へのインパクトは限定的かと思いますが、もしもエクスペディアやマリオット、ヒルトンなどの大手が破綻との噂が出ればどうなるかわかりません。
投資会社の巨額赤字リスク
日経平均マイナス要因:★★★★
コロナショック、原油ショックの影響で投資会社も巨額の赤字を計上しています。
日本最大の投資会社『ソフトバンクグループ』、アメリカ最大の投資会社『バークシャー・ハザウェイ』がそれぞれ、巨額の赤字を発表しています。
最大手がこれだけ赤字ということは、中堅も大変なことになっているのではないでしょうか。
万が一にも、ソフトバンクやバークシャーが破綻となれば、それだけでリーマンショック級のインパクトになると思います。
逆に危機を回避し、そうそうに黒字化できるようなことがあれば市場にとっては大きなプラス要因になるはず。
百戦錬磨の孫さんやウォーレン・バフェットであれば、暴落局面でも事前にプットオプションを大量購入している可能性があり、一発逆転の展開もありえそうです。
戦争発展リスク
日経平均マイナス要因:★★★
コロナウイルスは中国武漢が発生地というのが世界各国の見方です。ただ、中国はそれを否定していますが。
既に中国への損賠賠償請求が始まっており、なんらかの落とし所が必要になってきそうです。
ただ、中国が過失を認めれば、損賠賠償の動きが一気に加速するため、絶対に認めないという流れが予想されます。
中国とその他の国との溝は更に深まり、戦争へと発展していく可能性も否定できません。
タイミング悪く、北朝鮮の金正恩死亡説まで出てきており、中国がこれを利用し、アメリカへ宣戦布告してくりリスクまで浮上してきました。
第二次世界大戦の状況とは異なり、各国の軍備も強化され、お互いの抑止力が高まっているので本当に戦争となる可能性は低いと思いますが…そういった観測が浮上するだけでも市場にとってはマイナス要因です。
ただ、皮肉にも、戦争リスクが高まれば、原油価格の上昇に繋がると予想されます。
原油価格の上昇が、アメリカのエネルギー関連銘柄の上昇に繋がり、サウジの資金流通にも繋がるので、株式市場ではプラスとマイナス材料の綱引きになるかもしれません。
セルインメイは警戒すべきか?
前回の記事では、二番底は5月中旬にも来るかもしれない。と書きました。

ただ、3月に一番底、5月に二番底で底打ちという展開はあまりにも早い結末という気もします。
従って、5月二番底の可能性は30%くらいというのが個人的な予想です。
本当の大底は8月頃、もしくは12月頃になるのではと思っています。
もちろん、だからといってセルインメイの警戒感が薄れるわけではありません。
前回の安値1万6000円くらいをすぐに割り込むとは思っていませんが、その付近でヨコヨコもみ合いになるのではないかと思います。
5月1日時点での日経平均株価が1万9000円台であることを考えると、月内で3000円くらいサクっと下がっちゃう可能性は結構高いと思っているので警戒は絶対に必要です。
ロックダウン解除やワクチン開発の進捗で短期的な反発はあると思いますが、方向的には下と見ているので、中長期の買いはまずありえないと見ています。
2020年5月~の相場予想
結論です。
2020年5月以降の相場予想、投資戦略としては
- 5月は徹底して下目線(前回安値付近まで)
- 6月7月もみ合い(ロックダウン解除やワクチン進捗期待)
- 8月再び下目線(二番底を付けに行く可能性も)
- 9月以降は8月時点での相場状況次第
ポジティブ要因もいくつか挙げましたが、それがコロナ禍の収束に繋がり、株式市場が再び正常化するとはどうしても思えません。
5月に持つならショートポジション一択ですし、その後にリバがあったとしても中長期の買いポジを持つことは考えていません。
8月~12月にかけて、日経平均株価1万5000円割れは想定しておくべきですし、普通に考えれば1万2000円割れ、最悪の1万円割れもありえる話です。
NISA等の中長期ポジは、少なくとも1万2000円付近まで来てから考えようと思っています。
逆にこの予想が完全にハズレ、5月に再び2万円台を回復するようなことがあれば、一旦様子見に回るつもりです。
2万円台回復しても買いポジは持ちません。それで買いチャンスを逃しても構いません。
ショートポジは2万500円を超えるようならカットします。
まとめ
前回3月16日に書いた記事から約2ヶ月。
想定していた日経平均株価2万円超えとなったのでショートを入れました。
次は高値更新でロスカットするか、前回安値の1万6000円付近まで下がってきて決済するかどうかとなった時に次の戦略記事を書こうと思います。
また、今回の記事ではファンダメンタルズ要因だけを並べましたが、基本的にはそれよりもテクニカル分析を重視して売買をしています。
テクニカル戦略は前回の記事に書いており、戻り売りポイントも二番底予想もそれに沿ったものになりますので改めてご確認いただければと思います。

また、この記事で書こうと思っていた原油に関してのみ、GW連休中にアップするつもりです。
次の見方には、感心しました。さすがですね。
「NISA等の中長期ポジは、少なくとも1万2000円付近まで来てから考えようと思っています。」
「2万円台回復しても買いポジは持ちません。それで買いチャンスを逃しても構いません。」
ブログ読んでいただきありがとうございます。
上か下か予想が分かれる展開だと思います。
当たればラッキーですが、ハズレた場合は素直に損切りし、一旦様子見に回ります。
サブプライムショック→リーマンショックの過程で早期に買い向かって痛い目を見たので今回は警戒心強めで臨んでいます。